解体工事のコンクリートがら・アスファルト処分費相場と単位換算
コンクリートがらとアスファルトがらの処分費に定価はありません。一方で、都道府県が公共工事の積算用に施設ごとの受入価格を公表しています。大阪府の43施設分を品目別に整理し、見積単価と照らし合わせる手順をまとめました。
この記事の結論
- 大阪府の令和6年度上半期の受入価格資料では、無筋コンクリート塊の昼間料金の中央値が5,875円/m3でした。見積単価は、まず単位を揃えてこの種の県資料の幅と比べます。
- 円/tと円/m3が混在する見積書は、大阪府資料の係数(無筋・アスファルト塊2.35、有筋2.50)で揃えられます。m3が地山かほぐした状態かも確かめます。
- 単価の差は、最大寸法の条件、有筋か無筋か、昼夜の区分、混入物の有無で生じます。見積書でどの前提の単価かを確認します。
大阪府都市整備部の「令和6年度 建設廃棄物等受入価格 調査報告書」は、令和6年8月1日適用の上半期版です。府内のアスファルト塊・コンクリート塊の再資源化施設43か所について、受入価格を1施設1ページで載せています。編集部はこの43ページの昼間料金を読み取り、品目ごとの幅と中央値を整理しました。見積書の単価は、単位を揃えたうえでこの幅のどこに入るかを見ると位置がつかめます。
大阪府の43施設に見る品目別の受入価格
同報告書の昼間料金では、無筋コンクリート塊の値がある39施設の幅は3,525〜23,500円/m3、中央値は5,875円/m3でした。最高の23,500円/m3は泉大津市の1施設で、残る38施設は11,750円/m3以下に並びます。鉄筋入りの有筋コンクリート塊は、同報告書の37施設で3,750〜17,000円/m3、中央値は8,750円/m3です。同じ施設で有筋と無筋が同額の例も、枚方市と堺市に1施設ずつありました。
アスファルト塊は、同報告書で切削と掘削に分けて載っています。切削は33施設で2,200〜9,400円/m3、中央値は5,875円/m3でした。掘削は34施設で3,525〜11,750円/m3、中央の2施設は6,580円/m3と6,815円/m3です。コンクリート二次製品は同報告書の32施設で3,750〜30,000円/m3と幅が広く、中央の2施設は12,500円/m3と14,100円/m3でした。
同報告書の冒頭には、府内の中間処理業の許可業者のうち「再生処理業者」の受入価格をまとめた資料と書かれています。埋立処分の料金と、現場から施設までの収集運搬費は含まれません。消費税を含むかどうかの記載は、編集部が読んだ範囲には見当たりませんでした。見積書と並べる際は、見積書側の税の扱いを確かめてから比べる方法があります。
円/tと円/m3を同じ単位に揃える換算
同報告書の受入価格は円/m3で並んでいますが、見積書はt単位で書かれることもあります。同報告書は、処理業者が換算係数を示していない場合、地山の単位体積重量(t/m3)を次の値として円/m3を算出しています。
- アスファルト塊は、切削・掘削とも2.35です。
- 無筋コンクリート塊は2.35、有筋コンクリート塊は2.50です。
- 土量変化率(L)は4品目とも1.3で、軟岩Iを準用しています。
同報告書の計算例では、無筋の地山状態で2,500円/tの見積りは、2,500×2.35で5,875円/m3になります。取り壊してほぐれた状態で2,500円/m3の見積りは、1.30を掛けて地山1m3あたり3,250円です。無筋の中央値5,875円/m3を同じ係数で割り戻すと、2,500円/tに相当します。見積書の「m3」が地山とほぐした状態のどちらを指すかで、数量は1.3倍ずれます。
単価を変える寸法・夜間・混入物の条件
同報告書は「As塊・Co塊については、条件がない場合は、30cm 角以下を標準とした受入価格を記載している」と注記しています。施設ごとの受入条件欄では、30cm角以下に限る記載が16施設にありました。枚方市の1施設は「1辺60cm以上は別価格」としています。同報告書は「最大寸法の制限により、設計で小割等が必要な場合がある」とも書いており、小割の手間が処分費と別に見積もられることがあります。
夜間料金の記載がある施設は、同報告書の43施設中20施設でした。茨木市の1施設は、無筋コンクリート塊が昼間3,525円/m3、夜間4,582円/m3です。富田林市の1施設のように、昼夜とも3,760円/m3で同額の例もあります。
混入物の条件は、単価と持ち込める施設の両方を左右します。大阪市西淀川区の1施設は「コンクリート塊に赤レンガ等が入っている場合受入不可。ALCは受入不可」としています。同報告書は「受入価格は発生した副産物の状態により、価格が変動する場合がある」とも注記しています。
処分費を負担する立場と建設リサイクル法の書面
建設工事から出る廃棄物は、廃棄物処理法(第21条の3第1項)により元請業者が排出事業者として扱われます。環境省の「建設リサイクル法の概要」によると、特定建設資材はコンクリート、アスファルト・コンクリート、木材の3種類です。同ページでは、建築物の解体は床面積80m2以上の工事が分別解体と再資源化の対象とされています。
同ページは、工事着手の7日前までに発注者が都道府県知事へ分別解体等の計画を届け出ることを示しています。請負契約では、解体工事に要する費用や再資源化等に要する費用を明記することも義務づけられています。見積書の処分費の行は、この書面に書く費用の内訳を確かめる材料にもなります。
見積書で確かめる項目
- 品目が無筋・有筋コンクリート塊、アスファルト塊、二次製品のどれで分かれているかを確かめます。
- 数量がtかm3か、m3なら地山かほぐした状態かを確かめます。
- 処分単価の前提になっている最大寸法と、昼夜の区分を確かめます。
- 小割や分別の手間が別の行か、処分単価に含まれているかを確かめます。
- 収集運搬費と処分費が別の行で書かれ、消費税の扱いが明記されているかを確かめます。
- 搬入先の施設名と、その処分業者の許可品目にがれき類が含まれるかを確かめます。
品目・単位・数量を書き出した後は、この記事の下にある見積書の内訳検算ツールで、tとm3の換算や合計額を検算できます。
工事地の受入価格表を探す手順
- 工事地の都道府県名と「建設廃棄物 受入価格」「建設副産物 処分費」などを組み合わせて検索し、県の積算資料を探します。
- 資料の適用日を確かめます。大阪府の資料は上半期版で、令和6年8月1日から適用されています。
- 見積書の品目と単位を資料の行に合わせ、資料の換算係数で円/m3か円/tに揃えます。
- 資料の幅から外れる単価は、寸法・夜間・混入物のどの条件が前提になっているかを業者に質問します。
届いた見積書の合計・単位・内訳を、この記事の内容に沿って機械的に確かめられます。
配布物と検算ツールの一覧はツール・資料にあります。
この記事で解決しないこと
- 大阪府以外の受入価格は、工事地の都道府県が公表する積算資料で確認する必要があります。
- 収集運搬費の相場と、運搬距離による費用の差はこの記事では扱いません。
- 埋立処分となる場合の料金は、大阪府の資料に含まれていないため扱いません。
- 個別の請負契約や見積書の適法性・妥当性の判断は、所管の自治体や専門家への相談が必要です。
この範囲を扱う記事: 都道府県ごとの処理費用の目安を見る
参照した資料
資料 大阪府都市整備部「令和6年度 建設廃棄物等受入価格 調査報告書(上半期R06.8.1適用)」 (令和6年8月1日適用。1〜3ページの受入価格の説明・受入基準・換算係数と計算例、5〜47ページの再資源化施設43か所の受入価格表を編集部で読み取り)
資料 環境省「建設リサイクル法の概要」 (特定建設資材の種類、対象建設工事の規模基準、工事着手7日前の届出、請負契約での費用明記の義務を参照)
資料 廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第21条の3第1項 (建設工事に伴い生ずる廃棄物について元請業者を事業者とする規定)