産業廃棄物マニフェストの流れ|交付から返送・保存までの手順
紙のマニフェストは7枚つづりで、運搬と処分が終わるたびに写しが排出事業者へ戻ります。担当者の作業は、交付・照合・期限の確認・保存と報告の4つです。どの票がいつ戻るかを手順の順に並べました。
この記事の結論
- 排出事業者の手元には最終的にA票・B2票・D票・E票の4枚がそろいます。照合ではこの4枚が交付番号でつながっているかを確かめます。
- B2票とD票は交付から90日(特別管理産業廃棄物は60日)、E票は180日が確認期限です。期限を過ぎても戻らない票は、委託先へ処理状況を問い合わせる対象になります。
- 戻らないまま期限を過ぎた場合は、措置内容等報告書の提出期限があります。提出先と様式は、事業場のある自治体の案内で確認できます。
- 紙マニフェストの場合、戻った票の5年間保存と、毎年6月30日までの交付等状況報告書の提出が年間の作業として残ります。
マニフェストは、排出事業者が交付した7枚つづりの伝票が業者のあいだを回り、運搬と処分が終わるたびに写しが排出事業者へ戻る仕組みです。担当者の作業は、引き渡し時の交付、戻った写しの照合、期限内に戻らないときの確認、保存と年1回の報告の4つに分かれます。以下では紙マニフェストの標準的な流れを手順の順に並べ、電子マニフェストとの違いを最後に添えます。
7枚の伝票の行き先と、排出事業者へ戻る票
東京都環境局の排出事業者向けガイドブックにある図.11「マニフェストの流れ(標準モデルケース)」では、紙マニフェストの各票の役割を次のように整理しています。
- A票は排出事業者の控えで、交付した時点で手元に残ります。
- B1票は収集運搬業者の控えで、B2票は運搬終了票として排出事業者へ戻ります。
- C1票は処分業者の控えで、C2票は処分が終わったことを収集運搬業者へ知らせる票です。
- D票は処分終了票、E票は最終処分終了票で、どちらも排出事業者へ戻ります。
同じ図では、中間処理を挟む場合に中間処理業者が2次マニフェストを新たに交付します。最終処分の終了を2次マニフェストで確かめたあと、E票を排出事業者へ回す流れです。排出事業者の手元にそろうのはA・B2・D・Eの4枚で、大阪府のマニフェスト制度のページもこの4票を5年間保存する対象としています。
手順1 廃棄物の引き渡しと同時に交付する
交付は、廃棄物を収集運搬業者へ引き渡すときに行います。大阪府の同ページは、マニフェストを渡す前に確かめる点として次の3つを挙げています。
- 運搬業者・処分業者のそれぞれと、書面で委託契約を結んでいるか。
- 許可証の写しで、許可されている廃棄物の種類と有効期限を確かめたか。
- 廃棄物の種類・数量・受託者名・処分方法が、マニフェストの記載と食い違っていないか。
マニフェストの様式は省令で定められています(施行規則第8条の21第2項)。東京都のガイドブックによると、交付担当者欄には会社名ではなく、立ち会って引き渡した従業員の氏名を書きます。数量の単位について同ガイドブックは、重量・容量・個数のいずれでもよく、単位の決まりはないと説明しています。マニフェストは廃棄物の種類ごと、行き先ごとに交付します。記入を終えたらA票を切り離して手元に残し、残りの票を廃棄物と一緒に運搬業者へ渡します。
手順2 運搬が終わったらB2票を受け取る
運搬業者は処分場へ運び終えると、運搬終了年月日などを記入してB2票を排出事業者へ送ります。東京都のガイドブックは、運搬や処分を終えた日から10日以内に写しが委託業者から送られると説明しています。B2票が届いたら、手元のA票と交付番号で突き合わせ、運搬先の事業場が契約どおりかを確かめます。
手順3 処分が終わったらD票を受け取る
処分業者は処分を終えると処分終了年月日を記入し、D票を排出事業者へ、C2票を運搬業者へ送ります。大阪府の同ページも、D票は処分終了後10日以内に送られるものとしています。D票では、処分を受託した業者名と処分終了日が契約やA票の記載と合っているかを照合します。中間処理を経る廃棄物は、この段階から2次マニフェストが別に動き始めます。
手順4 最終処分が終わったらE票を受け取る
E票は、埋立などの最終処分が終わったことを知らせる票です。大阪府の同ページによると、E票は最終処分の終了を確かめてから10日以内に送られます。届いたE票では、最終処分を行った場所の欄と、委託契約で取り決めた最終処分の場所が合っているかを見比べます。E票がそろった時点で、その1件の流れは閉じます。
期限までに写しが戻らないときの確認と報告
写しの返送には確認の期限があります。大阪府の同ページによると、B2票とD票は交付から90日以内、特別管理産業廃棄物の場合は60日以内です。E票は交付から180日以内とされています。
この期間を過ぎても戻らない場合、まず委託先の運搬業者や処分業者へ処理状況を問い合わせる流れになります。東京都のガイドブックは、写しが一定期間戻らないときを措置内容等報告書の対象とし、発覚してから30日以内の提出を示しています(法第12条の3第8項)。戻ってきた票に不適切な記載や虚偽の疑いがある場合も、同じ報告書の対象です。提出先と様式は自治体ごとに違うため、事業場のある都道府県や政令市の案内で確かめられます。
戻った票の保存と、年1回の交付等状況報告
戻ってきたA・B2・D・E票は、5年間保存します。A票を交付番号順に並べ、戻った票を同じ番号の位置に重ねて綴じると、まだ戻っていない票が目で追えるという整理の方法があります。
紙マニフェストを交付した排出事業者は、前年度の4月1日から3月31日までの交付状況を事業場ごとにまとめ、毎年6月30日までに都道府県知事等へ報告します(法第12条の3第7項)。この産業廃棄物管理票交付等状況報告書について、東京都のガイドブックの記入例では、廃棄物の種類ごと、委託業者ごとに行を分けています。各行には排出量と交付枚数、委託先の許可番号を書きます。
電子マニフェストを使う場合の流れの違い
電子マニフェストでは、公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センターが運営する情報処理センターに、排出事業者・収集運搬業者・処分業者の三者が情報を登録します(法第12条の5)。環境省のQ&Aによると、排出事業者は引き渡しから3日以内に登録します。この3日には、土日祝日と12月29日から1月3日までを数えません。
運搬や処分の終了は業者がセンターへ報告し、センターから排出事業者へ通知されます。東京都のガイドブックは、紙の票の保存義務がないことと、交付等状況報告書の提出義務がないことを利点に挙げています。環境省の同Q&Aによると、前々年度の特別管理産業廃棄物の発生量が50トン以上の事業場は、2020年4月1日から電子マニフェストの使用が義務になりました。この発生量にPCB廃棄物は含めません。
手元の票で今日から始められる照合
今の運用を確かめる方法として、交付から90日を過ぎたA票を抜き出し、B2票とD票が戻っているかを交付番号で突き合わせる手順があります。交付から180日を過ぎたものは、E票まで照合します。戻っていない票があれば、委託先へ処理状況を問い合わせます。照合が済んだら、この下にあるマニフェスト運用チェックリストに交付番号と各票の返送日を書き込みます。次の照合から、期限の近い票を交付番号で探せます。
この記事の内容を、そのまま社内の確認に使える記入用チェックリストにしています。
マニフェスト運用チェックリスト
manifest-unyou-checklist.pdf PDF A4・2ページ
配布物と検算ツールの一覧はツール・資料にあります。
参照した資料
資料 東京都環境局 排出事業者向け産業廃棄物ガイドブック(資料5 マニフェスト/資料6 排出事業者による行政への報告) (p.26-28 様式と記入方法、p.29 図.11 マニフェストの流れ(標準モデルケース)と10日以内の送付、p.30 交付等状況報告書、p.31 電子マニフェスト、p.32-33 措置内容等報告書(30日以内)を参照)
資料 大阪府 マニフェスト制度のページ (交付前の確認事項、B2・D・E票の10日以内の送付、90日・60日・180日の確認期限、4票の5年間保存を参照)
資料 環境省 Q&A 電子マニフェスト使用の一部義務化等について (義務化対象(前々年度の特別管理産業廃棄物 50トン以上・PCB廃棄物を除く)、2020年4月1日施行、登録期限3日と土日祝日・年末年始の扱いを参照)